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お葬式に女性がスーツを着るのはマナー違反!?正しい女性の服装は!?

 お葬式では黒い色の服を身に着けるのが基本です。

黒い色の服といえば「喪服」があります。

ただし喪服は「黒い色の服」というだけではありません。

フォーマルなセレモニーに参加するための服装ですので、礼服を身に着ける必要があります。

 

男性の場合は「ブラックスーツ」というものがあります。

これはお葬式の礼服として認められていますので問題ありません。

ところがブラックスーツは「黒い色のスーツ」という意味ではありません。

そのため女性のお葬式用の礼服は「ブラックスーツ」とは言いません。

 

ではお葬式に女性がスーツを着るのはマナー違反なのでしょうか?

また正しい女性の服装の基本とはどのようなもののことを言うのでしょうか?

 

お葬式で女性がスーツを着るのは原則マナー違反

 お葬式の服装には「ブラックスーツ」というものがあります。

これはそのまま日本語に置き換えると「黒い色のスーツ」となります。

ところが実際には黒い色のスーツのことをブラックスーツというのではありません。

 

ブラックスーツは男性の準喪服のことを言います。

 喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類があります。

正喪服は喪服の中でも最も格式の高い喪服です。

そのため身に着けることが出来るのも「喪主」「遺族」「三親等以内の親族」に限られます。

 

そこで一般的に「喪服」と呼ばれているのは、立場に関係なく身に着けることが出来る準喪服のことを言います。

 

正喪服には「和装」と「洋装」があります。

古くは男性が喪主を務める場合は紋付羽織袴のことを言いました。

ただし歴史をさかのぼると白い喪服を着ているのが一般的でした。

 

戦国時代の日本では「喪服は城の着物」が一般的でしたし、江戸時代までの関西地域では白い着物をつけるのが正喪服とされていました。

 

日本のお葬式の正喪服が黒に変わったのは、明治頃だといいます。

歴史上の人物としても有名な大久保利通明治11年に亡くなった時、葬儀の参列者の多くが黒の大礼服で出席しました。

そのことがきっかけとなり、上流階級では「お葬式は黒の礼服を着る」という文化が浸透します。

 

この文化は庶民にも伝わりますが、当時は洋装よりも和装の時代です。

そのため庶民の間では男性は黒の紋付羽織袴、女性は黒の紋付を着るのが正喪服でした。

 

庶民も含めてお葬式の正喪服が黒の洋装礼服に変わったのは昭和30年代ごろからです。

これ以降日本のお葬式では、喪主であっても洋服の正喪服を着るのが一般的となります。

 

・女性の喪服はスカートが基本

女性の喪服にも男性と同じように「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3つがあります。

ただし一般的にお葬式の喪服といわれているのは「正喪服」と「準喪服」だけです。

 洋装の喪服が一般的となっている今でも、女性が喪主を務める場合は和装の正喪服である黒の紋付をつけることがあります。

 

もちろん正喪服をつけることが出来るのは「喪主」「遺族」「三親等以内の親族」に限られますので、式場内で黒紋付を着ている女性がいれば喪主またはそれに準ずる立場にある人とわかります。

 

ただ最近では女性が喪主を務めるにしても洋装の喪服を選ぶ人の方が多いです。

また正喪服は非常に格式が高い喪服になるので、男性と同じように準喪服を着るのが一般的です。

 

準喪服の下に位置する「略喪服」は、喪服という言葉はつきますがお葬式の喪服としては扱われません。

略喪服は「平服」に分類され、その中に女性用のスーツは含まれます。

 つまり女性が黒いスーツを着てお葬式に参加するということは、正しいお葬式の服装ではないと判断されるためマナー違反となります。

 

ちなみに女性の喪服は、スカート着用が原則です。

肌の露出を控えることもマナーに当たるため、スカートの丈が長いほど格式が高いと判断されます。

ですから黒いパンツスーツを遺族・親族という立場で着るということは、「女性喪服の基本」から見てもマナー違反となります。

 

正しい女性の喪服とは?

 ・ジャケット着用は基本

女性の喪服はスカートが基本といいましたが、上着はジャケットを着用することも基本のルールになります。

フォーマルなセレモニーですので、肌の露出を控えるために必ず長袖のジャケットをつけます。

 

・黒い色が濃いほど格上の喪服とみなされる

喪服は黒い色の服になりますが、色の濃さによって喪服の格が変わります。

そもそも黒い色の服を身に着けるということは「喪に服す」という意味があります。

そのため故人との関係が近いほど、濃い色の喪服を選ぶことがポイントになります。

 

もしもあなたが今から喪服を購入するのであれば、準喪服の中でも特に色の濃いものを選んでください。

 喪服は頻繁に買い替える物ではありませんし、フォーマルウェアですので値段もカジュアルウェアと比べると高いです。

だからこそ少しでも長く着られるようにした方が結果として経済的です。

ですから今の年齢に合わせて喪服を買うのではなく、10年後に着ることも考えて選ぶのが喪服の賢い買い方です。

 

・スカートの丈は年齢などとも関係する

露出を避けるということが喪服の基本になりますので、スカートの丈が長いほど格上の喪服とみられます。

 20代や独身の女性の場合は、ロングスカートよりも膝が隠れる程度のワンピースの方が裾さばきもしやすいですし若々しく見えます。

 

ただし20代でも既婚者(特に子供がいる場合)は落ち着いた雰囲気に見えるようにするのがマナーです。

そのためスカートの丈も6~7分丈が目安になります。

 

50代以降は喪主を務めることも考えられる年齢です。

またお葬式に参加する回数も増えます。

そのためスカートの長さはくるぶし丈のものを選んだ方が良いです。

夏の場合は7分丈までは許容範囲です。

これ以上短いと「品がない」「若作りしている」とみられてしまいます。

 

・インナーは襟元が詰まっているデザインを選ぶ

ジャケットに合わせるインナーも、フォーマルなデザインのものを選びます。

光沢があるものはNGですが、襟元が広く開いたデザインもNGです。

 

首までしっかりとおおわれているデザインは最も格式が高いインナーといえます。

そのため喪主を務めるのであれば、首元までしっかりとカバーされているインナーを選ぶようにしましょう。

 

もしも手持ちの服で襟元が広く開いてしまったインナーしかない場合は、黒のスカーフを使って隠す方法があります。

スカーフの結び方はシンプルが基本ですが、スカーフで胸元を隠すことによって肌の露出を抑えることが出来ます。

 

どうしても黒いスーツしか準備できない場合の注意点

 ・光沢がないスーツを選ぶ

リクルートスーツは慶事用の黒いスーツは光沢がある素材が使われていることがあります。

お葬式では「光を反射するものはマナー違反」とされているので、素材に光沢がある場合はダメです。

 

・インナーにシャツを合わせるのは避けよう

ジャケットのインナーにシャツを合わせるのは、ビジネスシーンを連想させるためあまりよくありません。

どうしても喪服が準備できないのであれば、せめてスーツに合わせるインナーだけでもフォーマルなものを準備しましょう。

 

・パンツスーツはNG

黒いスーツといってもパンツスーツはNGです。

最近は喪服に関する考え方もだいぶ変わってきましたので、女性の遺族・親族でも黒のパンツスーツ姿の人を見かけることが増えてきました。

 

でも正式な喪服ではスカートが基本です。ということはパンツスーツを着ている時点で、あなたが喪服を着ていないことが周囲にバレてしまいます。

ですから事情があってどうしても喪服が準備できないのであれば、せめて喪服に見えるように努力することは必要ですよ。

 

まとめ

お葬式にスーツで参加するのは、基本的にマナー違反です。特に喪主・遺族・親族という立場でお葬式に参加するのであれば、きちんと喪服を準備することがマナーになります。

 どうしても喪服を準備できない場合は、貸衣装を利用するという方法もあります。

 

喪服のレンタルであれば葬儀社が提携している貸衣装店で対応できますし、喪服のほかにもバッグや靴などの小物一式をセットでレンタルできます。

この方法であればお葬式の服装で悩むことはなくなりますよ。